北米美術図書館協会(ARLIS/NA)来日記念国際シンポジウム「美術アーカイブと図書館における国際連携」開催と関連機関視察



北米美術図書館協会(ARLIS/NA)は、昭和47(1972)年に設立された美術・建築を専門とする司書、視覚資料専門家、キュレーター、教員、学生、アーティストなど1000名以上で構成される組織です。このARLIS/NAが、今回、はじめて日本でのスタディーツアーを開催し、16名のメンバーが来日しました。そのツアーの一環として、令和6(2024)年10月22日、ARLIS/NAと東京文化財研究所の共催による国際シンポジウム「美術アーカイブと図書館における国際連携」を開催いたしました。
シンポジウムでは、第一部として、国立国会図書館・電子情報部主任司書の小林芳幸氏がデジタルアーカイブのナショナルプラットフォーム「ジャパンサーチ」を、文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長・橘川英規が、当研究所所蔵近現代美術アーカイブを紹介しました。第二部「ARLIS/NA 日本関係コレクションの事例研究」では、ピーボディ・エセックス博物館ダン・リプカン氏(代読:ボストン建築大学・安田星良氏)、イリノイ大学のエミリー・マシューズ氏、プラット・インスティテュートのアレクサンドラ・オースティン氏、ブリガムヤング大学図書館のエリザベス・スマート氏、ヴィジュルアル・アーティストのアンジェラ・ロレンツ氏に、ご所属機関の日本関連資料や日本と関わりの深いコンテンツ・活動をご紹介いただきました。そののちに、山梨絵美子氏(千葉市美術館館長、当研究所客員研究員)のディスカッサントのもと、討議を行いました。ARLIS/NAのメンバーと日本国内の専門家、合わせて70名あまりが参加し、活発な情報交換が行われました。
またこのスタディーツアーでは、関連機関の視察も行われ、東京藝術大学大学図書館、東京国立博物館資料館、国立西洋美術館研究資料センター、国立国会図書館、東京都現代美術館美術図書室、早稲田大学會津八一記念博物館・中央図書館・国際文学館(村上春樹ライブラリー)、東京国立近代美術館アートライブラリを訪問させていただきました。この場をお借りして、ご対応くださった各機関の担当者の方にお礼を申し上げます。今回のシンポジウムと関連機関視察が、ARLIS/NAメンバーと、日本国内で文化財に携わる専門家との相互交流の契機になればなによりです。